ダライラマを疑え
真の”チベットの自由”のためのチベット論
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チベット亡命政府による世論調査に関する私見
【2009/01/06】 総記
読売新聞に
国内のチベット人、3割「独立求める」…亡命政府調査
 という記事がありました。この資料から読み取れる問題点を指摘したいと思います。
 簡単に説明しますと、
①統計の信憑性が薄い
②独立世論が3割しかいない
③ダライラマとその支持者は「高度な自治」に留まる政治意思である
④国際世論でチベットの「独立」を希求した人は、チベットの大多数の政治意思を尊重しない人である
⑤国際世論でチベットの「独立」を希求した人は、チベット全体の政治意思を体現できない上に、過激派である。中にはテロリストもいた。

ということです。
今回は、「統計の問題」、「ダライラマ亡命事務所の恣意性」など個別に説明します。

チベットの将来をめぐって最近実施された意識調査で、中国に住むチベット人の3割弱が、中国からの「独立を求める」と回答していたことが明らかになった。
 チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は、中国の枠内での「高度な自治」を目指す路線を掲げているが、中国政府による人権抑圧が続く中、チベット人の間で独立志向が高まりつつあるとの指摘もある。
 ダライ・ラマのおいで、亡命チベット代表者会議代議員のケドルゥプ・サンドップ氏(56)が、台北市内で本紙に語った。

 同氏によると、意識調査は、インド北部ダラムサラのチベット亡命政府が昨年9月から11月にかけて実施した。
 中国のチベット自治区などに住むチベット人約1万8000人を対象ところ、全体の約28%に当たる約5000人が、中国からの「独立を求める」と回答。ダライ・ラマの現路線と一致する「高度な自治を求める」との回答数(約5000人)と並んだという。
 ただ、残る約8000人は、「(どんな決定であれ)ダライ・ラマの意思に従う」と答え、直接の意見表明を留保したという。
 意識調査の結果について同氏は、ダライ・ラマが1988年に独立要求を放棄した事実を指摘し、「ダライ・ラマは、この20年間、中国に対し『高度な自治』を求めてきた。だが、チベット人の自由・人権の抑圧状況に変化がないため、若年層を中心に不満を持つ人が増えている印象だ。独立志向はますます強まるだろう」との見方を示した。

サンプル対象の問題


 ①電話で聞き取りを行ったということは、
 「電話を持たないチベット民族」の世論調査は実施できません。
日本のような電話普及率が高い国ならば、電話の聞き取り調査が世論の全体である部分はありますが
 チベット民族は遊牧民もかなり多くいますから、電話調査ではチベット社会の全体像を集めることは出来ません。
 なにせ、人口さえもまだ推計としても不確定ですから、電話のない世帯はかなりの数を占めると思われます。
 電話のある世帯は経済的な裕福さがあるでしょうし、チベット社会における成功者と言えますから、経済格差のあるチベットの一部の世論しか検証できない指標です。意識調査のサンプルとしては偏りが想定されるものであって、信憑性は低いと言えます。
 このような世論の考え方はネット世論にも指摘できます。日本のネット普及率は確かに高いと言えますが、100%近くに至っていません。老齢者のネット普及率はもっと深刻な問題を残すでしょう。
 真に評価されるべき世論調査という意味では、ネット世論も信憑性に疑問がつくのは当然のことです。
 ネット世論調査という言葉は妥当性はありません。局所的な意見であっても世論ですが、統計的な見地の世論調査の意味を考えれば、ネット世論調査は世論調査とは言えないでしょう。

チベットの独立世論の動向


 18000人はチベット民族の総人口から考えれば十分なサンプルと言えますが、(日本の世論調査は2000人前後)
 意識調査の結果では
「独立を要請する世論」が三割で、過半数を占めない。
この結果では、チベットの独立志向のが三割であって、過半数を超えないことをよくよく周知する必要性があります。
 「チベットの独立を叫んだ」過激派は、この事実を重く受け止めるべきでしょう。
何より、ダライラマ自身が独立ではなく「高度な自治」を求めていること
をよくよく理解するべきでしょう。

 一部の過激派=感情的嫌中国見解は、
「高度な自治」というチベット人民の政治意志を尊重することなく、「独立」を叫びました。
これは、当事国の人民の意志を尊重しないで、勝手に他国の人民の自由を否定しているものです。

逆にいえば、中国の自治権を否定したことであり、
同じように中国が沖縄の領有権を主張することと同じようものです。

それほどの蛮行を繰り返してきたことをほとんどの過激派は恥じることはありません。
この意識調査の結果を重く受け止めるべき民意は、都合の悪いこの統計から逃避することでしょう。

 独立だけの問題ではありません。
残る約8000人は、「(どんな決定であれ)ダライ・ラマの意思に従う」と答え、直接の意見表明を留保したのであり、ダライラマの声明は「高度な自治」に留まるものです。
この事実を否定するように、「チベット人は独立を希望している」と部分的な過激派世論を正義として吹聴した世論は反省する必要性があるでしょう。
 その意見は、決して民主的正統性があるものではないことを、チベット亡命政府が立証したのです。

 独立を要請した過激派世論は、ダライラマの政治意思を否定するばかりではなく、「ダライラマの意思に従う」とした8000人の世論をも否定したことを忘れてはなりません。

総括


 以下のような事実からして、国際世論の独立過激派は支持基盤が薄いことが断定できましょう。
この記事を受けて責任ある識者は反応するとは思えませんが、
 過激派のチベット論の政治的蒙昧さ無知さを明確化できた世論調査と言えるでしょう。



さて、追加的に指摘しますが、

 中国に住むチベットというのは、チベット民族の全体ではありません。
「チベット人」という規定は不明瞭であって、ダライラマ事務所が恣意的にダライ派の都合のいい民族とチベット民族と規定することもできます。
 梵教というチベット仏教の母体の土着信仰の民族もいらっしゃります。
彼らは学術的でチベット人と呼ばれる人々ですが、ダライラマ事務所がチベット人と規定しているとは言えません。
 つまり、都合いい民族だけをチベット人と規定している可能性は否定できません。 
 
 チベット人自治区の住まうのはチベット人だけではありません。
 独立問題を民族だけで決定することに正当性があるとは言えません。独立する地域の住民全体像の世論を考慮するべきです。

 イスラエルの事例を考えてみれば分かることで、
 そこに住まう住民を考慮にいれずに独立が決まれば、出てゆくことを強制されることになります。
イスラエル建国において原住していたパレスチナ人は立ち退きさせられました。
その経緯で、パレスチナ問題が今も続いていることを忘れてはなりません。
 同じようなことを「チベット」でも行うつもりでしょうか?
 歴史的教訓を生かせないまま、チベット独立論を叫ぶ人の蒙昧な姿勢は、この統計だけでもよく分かるでしょう。同時にこの統計を行ったダライラマ亡命政府に問題提起できるでしょう。


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【2011/05/14 22:20】 | # [ 編集]

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